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タトゥー除去(刺青除去)、知ってから受けるべき理由 — 回数・間隔・傷跡のリスクを左右する要因

「何回くらい受ければ消えますか?」「早く消すには、強く、頻繁に受ければよいのでしょうか?」タトゥー除去(刺青除去)のカウンセリングで、もっともよくいただく質問です。結論から申し上げると、タトゥー除去の結果を左右するのは、「強く、頻繁に」よりも「適切な波長、適切な間隔、適切なアフターケア」です。この記事では、回数を見積もる基準、色と間隔の問題、強い照射を受けたときに起こりうることを、順に整理します。

3行まとめ

  • タトゥー除去は、強く、頻繁に受ければ早く消えるというものではありません。色に合った波長、十分な間隔、アフターケアが結果を左右し、早く消そうとして強い照射を短い間隔で受けると、タトゥーの代わりに白い傷跡が残ることがあります。
  • 必要な回数は、Kirby-Desaiスケールの六つの項目(肌の色、部位、色、顔料の量、傷跡、重ね彫り)で見積もります。ただし、この点数は回数の約束ではなく、ご自身のタトゥーがどのくらい除去しにくいかを読み取る指標です。
  • 間隔は、お急ぎでなければ6〜12週ほどあけます。フラクショナルレーザーによる前処置のような補助的な方法は、タトゥーの種類と経過に応じて加えるものであり、こうした点をすべて考慮しても、傷跡が残る場合があります。

タトゥー除去(刺青除去)の結果を左右する要因

皮膚科専門医の立場から見ると、タトゥー除去は、特定のレーザー機器で照射しさえすれば済むというものではありません。色素の化学的な特性、皮膚の生理、治癒にかかる時間をすべて読み取らなければならない治療です。波長の選択、施術間隔、アフターケアを含む複数の要因が合わさって、結果を左右します。タトゥー除去を計画するときに考慮することをまとめると、次のようになります。

区分 考慮すること
タトゥーの特性 色と顔料の成分、深さと顔料の量(インク量)、大きさと面積、カバーアップ・タッチアップの有無、タトゥーを入れてからの経過期間、凹凸感・傷跡の有無
肌の特性 肌の色(Fitzpatrickの肌タイプ)、解剖学的な位置、喫煙の有無、アレルギーの既往、年齢
治療を計画するときに検討すること 傷跡の可能性、色素沈着の可能性、レーザーの波長(レーザーの種類)の選択、エネルギーの設定、施術間隔、逆説的黒化(paradoxical darkening)の可能性をあらかじめ確認する試験照射(テストショット)、アレルギー反応の可能性と対処、麻酔の方法、フラクショナルレーザーを併用する治療が必要かどうか

これほど多くのことを考慮する理由

安全に、傷跡を最小限に抑えながらタトゥーを除去するためです。回数がより多くかかっても、レーザーを受ける間隔が長くて期間が延びても、傷跡を残さずにタトゥーを除去することがもっとも重要です。早く消したいからと強い照射を短い間隔で受けると、結局残るのは白い傷跡だけ、ということにもなりかねません。

もちろん、こうしたことをすべて考慮しても、やむをえず傷跡が残る場合があります。どのような方法でも、傷跡ができないとお約束することはできません。この記事では、上の項目のうち、基本的ないくつかだけを見ていきます。

何回受ければよいのか — Kirby-Desaiスケールで見積もる

タトゥー除去を希望される方のいちばんの関心事は、「何回くらい受ければよいですか?」という点です。これを見積もるときに広く使われているのが、Kirby-Desaiスケールです。六つの項目の点数を合計したうえで、点数と治療回数を対応させたグラフに当てはめて読み取ります。

グラフをおおまかに読むと、5〜7点のとき5〜10回、7〜10点のとき5〜12回、10〜13点のとき8〜15回ほどと考えることができます。ただし統計的な値ですので、おおよその参考としてだけご覧ください。

点数をつける六つの項目

項目 除去が難しくなる方向
肌の色 肌の色が濃いほど、治療が難しくなります。
部位 顔と首にある場合は比較的除去しやすく、胴体の上部、胴体の下部、腕・脚のうち胴体に近い側、腕・脚のうち手・足に近い側の順に難しくなります。
色 黒一色の場合がもっとも除去しやすく、色が増えるほど回数が多く必要になります。
顔料の量 専門家ではない人が入れたタトゥーか、線だけを入れたものか、グラデーションをつけたものか、すき間なく塗りつぶしたものかによって変わります。顔料の量が多いほど、回数が多く必要になります。
傷跡 タトゥーの部位に傷跡がある場合や、治療の過程で傷跡ができた場合は、治療の進みが遅くなります。
重ね彫り(レイヤリング) 顔料が何層にも重なって入っているほど、難しくなります。別のタトゥーで覆ったカバーアップも、これに当たります。

点数は回数の約束ではなく、難易度の指標です

点数が低ければ、比較的早く除去できる可能性があります。反対に点数が高い場合は、何回もの施術が必要になるだけでなく、除去そのものが難しいこともあるため、タトゥーの特性を一つひとつ考慮した、きめ細かな施術が必要です。

そのため、点数を計算したあとに「自分の点数に当たる回数だけ受ければ消えるのだな」とお考えになるよりも、ご自身のタトゥーがどのくらい除去しにくいかを評価する指標として受け止めていただくほうがよいと思います。回数としてだけ受け止めると、短い間隔で強い照射を受けているうちに、「なぜ消えないのだろう」と感じてしまうことがあります。カウンセリングでも、まずこの点数でおおよその難易度をつかんでから始めます。

タトゥーの色が重要な理由

タトゥーの色によって、使用するレーザーが変わることもあれば、同じレーザーでも照射の方式が変わることもあり、同じ方式の中でも強さを変えなければならない場合が多くあります。カラータトゥーは、傷跡が残る可能性も高めです。このように変えなければならないのは、色によって異なる顔料の成分が使われているためです。

色の系統と顔料の成分

  • 黒系 — カーボンブラック、酸化鉄
  • 赤・オレンジ・黄系 — カドミウム、アゾ、キナクリドン、酸化鉄など
  • 青・緑・紫系 — 銅フタロシアニン、フタロシアニングリーン、コバルト、マンガン、キナクリドンなど
  • 白系 — チタン

おおむね、上から下の順に除去が難しくなります。とくに黄、肌色系、白は、レーザーそのものへの反応が鈍かったり、レーザーを受けたあとにかえって色が黒くなったりすることもあります。これを逆説的黒化と呼び、試験照射でその可能性をあらかじめ確認します。眉タトゥーでこの現象が起こる理由は、眉タトゥーの変色を取り上げた記事で別に説明しています。

色によって変わる波長と難易度

色によって、レーザーの種類、つまり波長を使い分けることもあります。赤・黄には532nm、黒・青には1064nmを使い、緑・紫にはさらに別の波長を使う、といった具合です。同じレーザーの中でも、照射の方式を変えることがあります。

研究論文では、黒、青、赤、緑、黄・白の順に除去しやすいという結果が示されています。資料によって順序は少しずつ異なりますが、黒がもっとも除去しやすく、白の側がもっとも難しいという点は共通しています。

4週間隔が正解とは限りません

タトゥー除去レーザーの間隔は、長いあいだ4週が一般的と受け止められてきました。ところが、この記事を最初に書いた2025年9月時点では、6〜8週、長ければ8〜12週まで間隔をあけて受けることがすすめられる場合もあります。2012年に発表された、352名を対象とした研究では、8週以下の短い間隔よりも、9週以上の間隔をあけるほうが効果的という結果が出ました。

頻繁に行うよりも、間隔を十分にあけて、レーザーで破壊された色素が吸収される時間をとるほうがよい、という意味です。私は二か月ほど、つまり6〜8週の間隔を好んでいます。お急ぎでなければ、間隔を短くとるよりも、6〜12週ほどあけて受けていただくことをおすすめします。

喫煙と色による違い

喫煙者は非喫煙者に比べて治療効果がよくなかった、という研究もあります。同じ研究の色別の結果では、黒と赤までは大きな差がありませんでしたが、それ以外の色では結果が大きく異なっていました。喫煙される方は、治療期間が少し長くなる可能性があることを、あらかじめ考えておいていただく必要があります。

強い照射はなぜよくないのか — レーザー施術のあとに起こりうる問題

強く、頻繁に行えば、より早く除去できそうだと思われるかもしれません。頻繁に行うよりも間隔をあけるほうがよいという点は、先ほど見たとおりです。では、強く照射することは、なぜよくないのでしょうか。タトゥー除去レーザーを受けたあとには、次のような問題が起こることもあります。

  • 色が広がって残る場合
  • 白く色が抜けてしまう場合
  • 水ぶくれができる場合
  • アレルギー反応が起こる場合
  • 傷跡が残る場合

こうした問題がまったく起こらないように施術することは、不可能に近いといえます。それでも、問題を最小限に抑えながら施術しなければなりません。

問題が起こりやすい条件

  • 強いエネルギーと小さすぎるスポットサイズ — 強いエネルギーを使うと、表皮の基底層が傷つき、周囲の組織に熱が広がって、傷跡のリスクが高まります。
  • カラータトゥー — 治療に反応しにくいカラータトゥーは、そうでないタトゥーよりも傷跡が多く生じるとされています。複数の色が混ざっているために高いエネルギーが必要になり、治療を繰り返すことになるからです。
  • 深く、量の多い顔料 — 顔料の量が多いタトゥーほど、より高いエネルギーとより多くの回数が必要になり、傷跡のリスクも一緒に高まります。
  • 色の濃い肌 — 色の濃い肌では、色素沈着と、色素が抜ける変化がより多く見られたとされています。

そのため、カラータトゥー、顔料の量が多そうなタトゥー、色の濃い肌では、いっそう注意しなければなりません。このような場合には、強い施術を避けます。

正常な反応と、照射の強さを調整すべきサイン

レーザーを受けたあとには、ほとんどの場合、さまざまな局所反応が現れます。水疱、腫れ、かさぶたは、正常な反応に含まれます。ただし、照射した直後に水ぶくれができる場合や、照射した直後に紫斑があまりに強く出る場合には、照射の強さを調整する必要があります。感染が起こった場合にも傷跡が残りやすくなるため、施術後のケアが大切です。

照射の強さを上げずに効果を高めようとする方法

強いエネルギーは、傷跡のリスクを高めます。そのため、強さを上げるのではなく、別の方法で効果を高めようとする試みが続けられてきました。

R20とR0

最初に行われた方法はR20で、20分間隔で4回繰り返して照射します。一度照射したあと、白く変わった部分(ホワイトニング)が消えるのを20分待ってから、もう一度照射するというやり方です。ただし、色の明るい肌を対象とした研究から生まれた方法であり、韓国人にはあまり安全ではない方法と受け止められています。炎症、色素沈着、傷跡の可能性が高まるためです。

R0は、この待ち時間をなくした方法です。レーザーを照射したあとに薬剤を吹きかけて気泡をすばやく落ち着かせ、20分待つことなく、すぐに続けて複数回照射します。

フラクショナルレーザーによる前処置

2025年9月時点でよく用いられているのは、フラクショナルレーザーを先に使う方法です。CO2やエルビウムのフラクショナルレーザーで前処置を行って表皮のバリアを部分的に開き、それによってエネルギーを伝わりやすくし、残った色素の排出を助けます。

本来は、レーザーを照射すると生じるガスの気泡と内部の粒子のために、続けてさらにレーザーを照射しても効果が落ちます。先に小さな穴をあけておけば、これに関係なく、二度の照射が効果的に働くという原理です。CO2やエルビウムのフラクショナルレーザーを使わずに、ピコ秒レーザーのフラクショナル方式を利用するバリエーションもあります。

適切に行えば、傷跡の可能性を減らしながら治療効果を高めることができ、治療回数が減ったという結果もあります。ただし、いつも必要な方法ではなく、タトゥーの種類と治療の経過に応じて、追加して使うことができる方法です。

私はこのように使い分けています

私は、5〜10回ほどのうちに除去できると見込まれるタトゥーは、ピコ秒レーザー単独で治療しています。回数がさらに多く必要と思われる一部のタトゥーには、フラクショナルレーザーを併用する方法を試みています。エイブル皮膚科でタトゥー除去に使用している機器は、ピコ秒Nd:YAGレーザーのピコプラスです。

新しいタトゥーと古いタトゥー

どちらのほうが消えやすいのか

古いタトゥーのほうが、やや除去しやすいです。時間がたつあいだに、自然な退色、免疫の働きによる排出、顔料の化学的な変性が進むためです。

平均的な治療回数の傾向を見ると、入れてから1年未満のタトゥーは12〜15回、5〜10年たったタトゥーは8〜12回、10年以上たったタトゥーは6〜10回ほどです。傾向を示した値ですので、実際の回数は、先ほど見たさまざまな要因によって変わります。

入れて間もないタトゥー、すぐに消してもよいのか

タトゥーを入れて間もないのに後悔して、すぐに消したいと希望される場合があります。上で述べた理由から、少し時間をおいて受けていただくことをおすすめします。新しいタトゥーの除去を始める時期は、早くても8週後、推奨される時期は8〜16週後で、複数の色が入ったカラータトゥーは3〜6か月後をおすすめします。

まとめると — 強さではなく、戦略です

タトゥー除去では、強く、頻繁に行うことが、かえって害になることがあります。色に合わせた波長、十分な間隔、必要なときに加える補助的な方法、徹底したアフターケアがそろって、安全に、予測できるかたちで除去することが、タトゥー除去の核心です。そのため、タトゥー除去は、ある程度知ったうえで受けていただくほうがよいと思います。

この記事に書いた回数と間隔は統計的な傾向であり、人によって、またタトゥーによって変わります。具体的な診断と治療計画は、担当の医師と十分にご相談のうえ、お決めください。

診察から施術まで

皮膚科専門医が直接診察して原因の層を確認し、機器とパラメータを決めたうえで、同じ専門医が施術まで続けて行います。カウンセラーが施術をすすめる仕組みではありません。

回数・間隔・維持の時期・費用は、初回の施術前に一緒に決めます。

よくあるご質問

タトゥー除去(刺青除去)は、何回受ける必要がありますか?
Kirby-Desaiスケールの六つの項目(肌の色、部位、色、顔料の量、傷跡、重ね彫り)の点数を合計して見積もります。おおよそ5〜7点なら5〜10回、7〜10点なら5〜12回、10〜13点なら8〜15回ほどと読み取ることができます。ただし統計的な値ですので、決まった回数というより、ご自身のタトゥーがどのくらい除去しにくいかを見る指標として受け止めていただくほうがよいと思います。
強く照射してもらえば、より早く消えますか?
そうとは考えにくいです。強いエネルギーは表皮の基底層を傷つけ、周囲の組織に熱を広げて、傷跡のリスクを高めます。早く消そうとして強い照射を短い間隔で受けると、結局残るのは白い傷跡だけ、ということにもなりかねません。
タトゥー除去レーザーは、どのくらいの間隔で受けますか?
長いあいだ4週間隔が一般的でしたが、2025年9月時点では、6〜8週から、長ければ8〜12週まで間隔をあけることがすすめられる場合もあります。2012年に発表された、352名を対象とした研究では、8週以下の短い間隔よりも9週以上の間隔のほうが効果的でした。お急ぎでなければ、6〜12週ほどの間隔をおすすめします。
カラータトゥーは、黒いタトゥーより消しにくいですか?
おおむねそのとおりです。色によって顔料の成分が異なるため、黒一色の場合がもっとも除去しやすく、色が増えるほど回数が多く必要になります。研究論文では、黒、青、赤、緑、黄・白の順に除去しやすいという結果でした。黄、肌色系、白は、レーザーへの反応が鈍かったり、レーザーを受けたあとにかえって黒くなったりすることもあります。
入れて間もないタトゥーを、すぐに消してもよいですか?
少し時間をおいてから始めることをおすすめします。新しいタトゥーの除去を始める時期は、早くても8週後、推奨される時期は8〜16週後です。複数の色が入ったカラータトゥーは、3〜6か月後をおすすめします。
古いタトゥーと新しいタトゥーでは、どちらのほうが消えやすいですか?
古いタトゥーのほうが、やや除去しやすいです。時間がたつあいだに、自然な退色、免疫の働きによる排出、顔料の化学的な変性が進むためです。平均的な治療回数の傾向は、1年未満で12〜15回、5〜10年で8〜12回、10年以上で6〜10回ほどで、実際の回数はタトゥーごとに異なります。
タトゥー除去のあとに、傷跡が残ることはありますか?
残ることがあります。レーザーを受けたあとには、色が広がって残る、白く色が抜けるといった変化や、水ぶくれ、アレルギー反応、傷跡が生じることもあります。色、顔料の量、肌の色、間隔をすべて考慮して施術しても傷跡が残る場合があり、カラータトゥー、顔料の量が多いタトゥー、色の濃い肌では、いっそうの注意が必要です。
施術後に水ぶくれやかさぶたができたら、何か問題があるということでしょうか?
水疱、腫れ、かさぶたは、レーザーを受けたあとに現れる正常な反応に含まれます。ただし、照射した直後に水ぶくれができたり、紫斑が強く出たりする場合は、照射の強さを調整する必要があります。感染が起こると傷跡が残りやすくなるため、施術後のケアが大切です。
タバコを吸っていると、タトゥー除去に影響がありますか?
喫煙者は非喫煙者に比べて治療効果がよくなかった、という研究があります。喫煙される方は、治療期間が少し長くなる可能性があることを、あらかじめ考えておいていただくほうがよいと思います。
フラクショナルレーザーを一緒に受けると、より早く消えますか?
フラクショナルレーザーで先に小さな穴をあけてエネルギーを伝わりやすくし、残った色素の排出を助ける方法があり、治療回数が減ったという結果もあります。ただし、いつも必要な方法ではなく、タトゥーの種類と治療の経過に応じて追加して使います。5〜10回ほどのうちに除去できると見込まれるタトゥーは、ピコ秒レーザー単独で治療することが多いです。
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