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HILO WAVE — フィラーとコラーゲン刺激剤の間にある、この製剤の位置

頬の外側がくぼんで顔が影って見える、という主訴で来られる方は、たいてい二つをすでに調べて来られます。フィラー、そしてコラーゲン刺激剤です。ところが診察室では、この二つがどちらも当てはまりにくくなる区間があります。フィラーは目立つのではないかとためらわれ、コラーゲン刺激剤は体が反応するまで待つ時間が残っていない場合です。この記事は、その間に置かれる製剤が一つ、HILO WAVEが正確にどの位置を担うのかについての説明です。

3行の要約

  • HILO WAVEは、架橋していないヒアルロン酸2種類と、まばらに架橋した複合体1種類を1本のシリンジに入れた製剤です。成分で見ればフィラーと水光注射の間ですが、くぼんだ場所を補う目的で選ぶときにはフィラーとコラーゲン刺激剤の間に置かれます。
  • ヒアルロン酸が場所を占めることで起こる物理的な変化なので、注入の直後から見えます。コラーゲン刺激剤のように組織が反応するまで待つ必要がなく、広く広がる性質のおかげで、フィラーより境目がつくられにくい傾向があります。
  • その代わり、形を立てる力が弱く、持続期間は三つの中でいちばん短いです。はっきりした輪郭が必要ならフィラーが、時間に余裕があって長く持ってほしいならコラーゲン刺激剤が合います。製品ではなく状況が決める問題です。

頬の外側と前頬部は、なぜ先にくぼむのか

製剤の話に入る前に、なぜよりによってその場所がくぼむのかから見ていきます。この順番を守る理由は単純です。何をどれだけ入れるかよりも、どこがなぜ空いているのかが先に決まってこそ、製剤選びに基準ができるからです。

顔の脂肪はひとかたまりではありません

顔の皮下脂肪は一つにつながった層ではなく、区画ごとに分かれています。2007年にPlastic and Reconstructive Surgeryに掲載された解剖研究では、顔の皮下脂肪が互いに独立したコンパートメントに分かれていることが報告されました。研究者の結論をそのまま移せば、顔はひとかたまりのようには老化しません。区画ごとに減る速さが違うため、あるコンパートメントが先にくぼむという意味です。

そのなかで比較的早く目に見えてくるのが、頬の外側と前頬部のコンパートメントです。その下で支えていた体積が減ると、上の皮膚が沈み込んで影が落ち、鏡よりも写真でより際立って見えるようになります。照明が上から落ちる条件であるほど、そうなります。

骨も関わっています

同じ年の同じ学術誌に掲載されたCTの研究では、年齢とともに上顎骨の角度が小さくなるという結果が報告されました。わかりやすく言えば、支えていた骨が内側に退くということです。そのため、体重が減っていないのに影って見えるという状況が起こります。

ここに外的な要因が重なることもあります。体重の変化があった場合や、エラのボツリヌストキシン注射のあとに咬筋の体積が減り、頬の外側のくぼみが相対的により目立つ場合が代表的です。もともと頬骨が出ている骨格では、同じ程度の減少でもより目につきやすい傾向があります。

まとめると、頬の外側・前頬部のくぼみは、多くの場合コンパートメントごとの脂肪の減少と骨格の変化が重なった結果です。ですから補う施術を選ぶときにも、どの層が空いているのか、広い面なのか狭い一点なのかを先に確認することになります。

ヒアルロン酸は皮膚の中で何をしているのか

素材の話に移ります。ヒアルロン酸はもともと私たちの皮膚の中にある成分です。水を引き寄せてつかまえておく役割をしています。

これを注射で入れると、二つのことが起こります。入った場所を体積の分だけ占め、同時に周囲の水分を引き寄せます。素材が位置を占め、その周りが潤うということです。ですから入れた直後から目に見えます。コラーゲン刺激剤のように、体が何かを新しくつくり出すまで待つ方式ではありません。

ただし、そのまま入れると1〜2日で分解されてしまいます。もともと体にあった成分なので、体が自分で片づけてしまうからです。ですから長く残すには少し手を加える必要があるのですが、どう手を加えるかによって、まったく別の施術になります。

架橋 — 糸と糸のあいだに結び目をつくる作業

長く残すためのこの処理を架橋と呼びます。わかりやすく言えば、糸を何本も並べて、そのあいだを結び目で結んでいくことです。結んでおけばほどけにくいので、長く持ちます。

  • 結び目を密につくると — 糸のかたまりが硬くなり、押しても形が保たれます。これがフィラーです。かたまりとして残って形をつくる側です。
  • 結び目をまったくつくらないと — 非架橋ヒアルロン酸です。糸がそのまま水の中に散らばります。一般に水光注射と呼ばれる製剤がここに当たり、浅い層に複数の点に分けて置き、肌のキメと保湿を扱います。
  • 結び目をごくわずかだけつくると — かたまりにはなりませんが、すぐに散らばりもしません。広く広がりながら位置を占めます。

成分はまったく同じヒアルロン酸なのに、結び目をどれだけつくったかが、まったく別の施術をつくります。この記事で扱う製剤は、三つ目にいちばん近いものです。

HILO WAVEはその間のどこにあるのか

HILO WAVEはアンプルやバイアルではなく2.0mLのシリンジ1本で出ており、その中にヒアルロン酸が48mg入っています。濃度でいえば1mLあたり24mgです。ところが、この48mgが1種類のヒアルロン酸で満たされているわけではありません。

1本のシリンジの中の三つ

  • 高分子の非架橋ヒアルロン酸 — 結び目をつくっていない長い糸です。組織を支える役割を担います。
  • 低分子の非架橋ヒアルロン酸 — 結び目をつくっていない短い糸です。水分をすばやく引き寄せます。
  • 微架橋のハイブリッド複合体 — 結び目をまばらにつくったかたまりです。比較的長くその場に残る側です。

Dual-HAという名前が指しているのが、この構成です。大きい分子と小さい分子を一緒に入れたという意味で、そこにまばらに架橋した複合体がもう一つ混ざっている構造です。架橋したものをまるごと入れたわけでもなく、水光注射を濃くしただけのものでもありません。入れてすぐ見える側と、その場に残る側を1本のシリンジに混ぜて入れた形と理解していただければ、大きくは外れません。

濃度だけを見れば、浅く置く水光注射よりは明らかに濃いです。かといって、頬を立てるフィラーほど濃くもありません。どちらにもきれいに収まらないため、フィラーとスキンブースターの間と呼ぶ方が多くいらっしゃいます。

名前はスキンブースター、承認は組織修復用生体材料

実際にこの製剤は2024年末に出たときスキンブースターという名前で紹介されましたが、韓国での承認は4等級の組織修復用生体材料として受けています。フィラーと同じ分類です。記載されている注入層も皮下です。真皮に浅く入れるブースター製剤とは、層そのものが違います。

このずれは、結局は製品ラインそのものが整理される方向につながりました。2026年7月に製造元がラインを二つに分け、真皮に浅く入れる用途は別製品として切り離し、従来の製品は自然なボリュームのほうへ定義し直しています。ですので、キメや水分のほうをこの製剤に期待される部分ではありません。

ときどき、ほかの非架橋ヒアルロン酸製剤と同じものではないかというご質問をいただきます。大きい分子と小さい分子を一緒に入れている点、2mLの規格が同じである点が似て見えるためのようです。ただし、化学的な架橋剤をまったく使っていないと説明書に明記している製剤とは違い、この製剤の承認文書の最初の言葉は架橋ヒアルロン酸です。出発点が違います。

まとめるとこうなります。成分で見ればフィラーと水光注射の間ですが、選ぶときにはフィラーとコラーゲン刺激剤の間です。何でつくられているかと、いつ使うかは別の話だからです。頬のくぼんだ場所を補う状況で、この製剤と実際に同じ天秤に載るのは水光注射ではなく、フィラーとコラーゲン刺激剤です。三つともくぼんだ場所を補う施術だからです。

フィラー・コラーゲン刺激剤・HILO WAVEを同じ天秤に載せると

三つの方向を並べて見ると、それぞれ何を得て何を手放したのかが比較的はっきりしてきます。

フィラーと比べると — こちらが優れているのは境目

フィラーは入れた瞬間に形が決まりますが、かたまりとして寄り集まっているため、場所によっては目立ちます。この違いは触ってもわかります。入れたところと入れていないところの境目が指先に引っかかることがあり、異物感があると表現される方がおっしゃっているのは、たいていその部分です。

HILO WAVEは結び目をまばらにしかつくっていないのでかたまりにならず、広くしみ込むように置かれて、その境目がつくられにくくなります。ひとかたまりとして位置を移動するというより、周囲の組織に混ざり込んでいく側に近いです。その代わり、形を立てる力はフィラーに譲ったかたちです。

コラーゲン刺激剤と比べると — こちらが優れているのは時間

スカルプトラ(Sculptra、PLLA)、ジュベルック ボリューム(PDLLA)、レディエッセ(Radiesse、CaHA)、液状PCL製剤のGOURIといったコラーゲン刺激剤は、自分の体が自らコラーゲンをつくるように促す方式です。ですから変化が出てくるまでに数週間から数か月かかり、間隔をあけて複数回に分けて受けます。その代わり長く持ち、広い面全体の厚みを均一に上げるのはそちらのほうが得意です。

結果の性格も違います。コラーゲン刺激剤でできた組織は、触ったときに硬く触れることがあり、まれに結節につながることもあります。そして細かく調節するのが難しいです。入れた分だけそのまま満たされるのではなく、体が反応した分だけ上がってくるため、どの程度できるのかを前もってつかみにくいのです。皮膚の薄い場所には使うのも慎重になる傾向があります。わずかにかたまっただけでも表面に透けるからです。

一方でヒアルロン酸系は、フィラーであれHILO WAVEであれ入れた量がそのまま体積なので調節がききます。狭い場所や浅い場所も扱えます。HILO WAVEが頬の外側のように広くて目立ってはいけない部位に合う理由が、ここにあります。

項目フィラーコラーゲン刺激剤HILO WAVE(Dual-HA)
変化が見える時点注入の直後数週間から数か月後注入の直後
作用の仕方架橋されたゲルがかたまりとして位置を占める組織が自らコラーゲンをつくるように促すヒアルロン酸が体積を占め、水分を引き寄せる
形を立てる力強いほう中間 — ただし最終的な形の予測が難しい弱いほう
境目・異物感場所によっては指先に引っかかることがある硬く触れる、まれに結節生じにくい傾向
量の調節入れた量がそのまま体積体が反応した分なので調節が難しい入れた量がそのまま体積
回数多くは1回のあと、持続の時期に補強間隔をあけて複数回多くは1回のあと、経過を見て決める
持続の傾向三つの中で長いほう中間三つの中で短いほう

表だけを見ると、どれか一つが優位にあるように読めやすいのですが、実際にはそうではありません。すぐに見えて、しかも目立ちにくくなければならない状況、ちょうどそこがHILO WAVEの位置です。逆に、時間に余裕があって長く持つほうを望まれるならコラーゲン刺激剤が合いますし、はっきりした輪郭が必要であればフィラーが合います。

どの層に、どの道具で入れるのか

同じ製剤でも、何を狙うかによって道具も層も変わります。この製剤では特にそうです。

少ない数の点に、深く

初期に製造元が掲げた技術はPDIT(Point Deep Inject Technique)という方式です。浅く数十回刺す代わりに、少ない数の点に深く入れるという意味です。ここでいう深いとは真皮の下を指します。承認文書に記載された注入層が皮下であり、製造元も真皮の下から浅い皮下までをこの製剤の施術領域として記載しています。

よく知られている水光注射が真皮の中を数十回浅く刺す方式ですから、層から違うわけです。同じヒアルロン酸でも、どの層に置かれるかによって、することが変わります。

広い面を扱うときにカニューレを使う理由

ここにカニューレを使う方式がもう一つあります。先が閉じた鈍い管を一か所から入れて、皮膚の面と平行に、脂肪層の中を水平に押し進みながら、通ってきた道に沿って長く置いていく方式です。フィラーもコラーゲン刺激剤も活用する方式で、頬の外側や前頬部のように広い面を扱うときには、多くの場合こちらを使います。理由は三つです。

  • 分布が違います — 針で数か所に深く入れると、その点ごとにゲルが集まることになります。カニューレで水平に進めば、線に沿って長く置かれます。広い面を均一に覆う必要がある場所では、後者のほうが有利です。
  • 境目が生じにくくなります — 点に集まっているとその場所だけ盛り上がる余地がありますが、長く置けばそうなることが減ります。この製剤を使う理由そのものが境目を残さないためでもあるので、方式と目的がかみ合います。
  • 進入点が一つで済みます — 何か所も刺す必要がないので、内出血や赤い跡が残る場所も減ります。予定を控えて来られた方には、この違いがかなり大きく効きます。

付け加えると、針とカニューレの血管関連の合併症の発生率を比較した研究が報告されています。道具の選択は分布と境目だけの問題ではなく、安全面も一緒に置いて決める部分です。ただし部位・範囲・組織の状態によっては針のほうが適している場合もあるため、何を使うかは診察で確認したうえで決めます。

この製剤にできないこと

長所だけをお伝えするのは公正ではありません。この製剤には、はっきりした限界が二つあります。

形を立てる力が弱いです

結び目をつくった成分が全体の一部だけなのですから、当然の話です。はっきりと強く輪郭をつくらなければならない状況であれば、この製剤では物足りなく感じられるかもしれません。そうした目的にはほかの施術が合います。

持続期間が三つの中でいちばん短いです

数字で見ると違いがはっきりします。

  • フィラー — 2024年にPlastic and Reconstructive Surgery Global Openに掲載されたMRIの研究では、中顔面にフィラーを受けた33名を撮影しましたが、2年以内に消えてなくなった人は一人もいませんでした。長い場合は15年まで検出された症例も報告されています。部位によって差があります。
  • コラーゲン刺激剤 — 2026年にAesthetic Plastic Surgeryに掲載された系統的レビューでは、PLLA系が最大25か月、CaHA系が12か月から18か月と整理されました。
  • HILO WAVE — ヒトを対象に持続期間を測定した資料そのものがありません。現在確認できるのは、製造元が勧める施術間隔が3か月だという点だけです。診察室では6か月ほど残っている場合についてご説明していますが、個人差が大きい部分です。

もう一つ、はっきりさせておく部分があります。この製剤に関連して引用される研究は細胞および動物を対象とした前臨床の段階であり、ヒトを対象とした臨床試験ではありません。今後の研究によって内容が変わる可能性があります。

数字だけを見れば、この製剤が三つの中でいちばん短いです。そしてその短い持続期間は、先にお伝えした長所と同じ根から出ています。結び目を少なくつくったからこそ広く広がって境目が残りにくい代わりに、体が片づける速さも速いのです。長く持って不快感もなく効果だけがある、といった説明は、どの製剤にも成り立ちません。すべての製剤が、何かを得る代わりに何かを手放しています。

予定があるときの時間の設計

カウンセリングの初めのほうで、近いうちに大事な予定がおありかどうかをお尋ねすることがあります。結婚式や両家の顔合わせ、撮影のように写真が多く残る予定があると、選択肢の順番が変わるからです。

先にはっきりさせておきます。予定があるからといって、必ず何かをしなければならないわけではありません。何もしないという選択も常に一緒に検討します。時間の設計をあらかじめお伝えするのは、急がせるためではなく、無理な日程に施術を押し込まないためです。

施術当日から2週間まで

  • 刺入点の跡 — 針で入れると、入った場所ごとに赤い点が残ることがあります。長くは続きません。
  • 内出血 — 個人差が大きい部分です。出にくいほうで、出たとしても多くは1週間以内におさまります。
  • 腫れ — 入れた量と場所によって異なります。ヒアルロン酸が水分を引き寄せるため、2〜3日はふだんより厚みが出て見えることがあります。フィラーでも同じような経過が見られます。
  • 触ったときの感触 — 少し盛り上がった感じが残る場合がありますが、多くは時間の経過とともに周囲の組織に合わせて落ち着きます。

ですので予定がおありの場合は、最低2週間、余裕があれば1か月ほど前をおすすめしています。腫れが引いて落ち着くまでの時間に加えて、一度見て調整する余地まで残しておく期間です。逆に言えば、予定が1週間後に迫っている状態であれば、今回は受けないほうがよいとお伝えする場合もあります。

残りの期間が2〜3か月なら

コラーゲン刺激剤系は自分の体が反応する時間が必要なので、間隔をあけて複数回に分けて受ける必要があります。残りの期間が2〜3か月ほどであれば、回数を分けて反応を待つ方式は時間が厳しくなります。この区間でHILO WAVEが選択肢に上がる理由が、ここにあります。ただしこれは今この時点で可能な選択という意味であって、より優れた施術という意味ではありません。予定が過ぎて時間に余裕ができれば、あらためてほかの方式を置いてご相談することになります。

回数の間隔を機械的に守らない理由

製造元が勧める施術間隔は3か月です。ところが3か月たったからといって、機械的にまた受けてくださいとおすすめすることはありません。一度施術してから十分に経過を見て、物足りなくなった時点で足すほうがよいとお伝えしています。

1か月間隔で何回受ければどれだけ持つ、といった固定の回数の案内はよくありますが、確かめられた根拠のある方式ではない場合が多くあります。エイブル皮膚科ではHILO WAVEを含むほとんどのブースター製剤で、この固定の回数をそのまま踏襲せず、効果が物足りなくなった時点で次の施術をご案内しています。回数・間隔・メンテナンスの時期は初回の施術の前に一緒に決め、経過を見ながら調整します。

エイブル皮膚科がヒアルロン酸ブースターを使う場面

当院がヒアルロン酸系のブースターとして運用している製剤は二つで、使いどころがはっきり違います。

HILO WAVE — くぼんだ部位の輪郭を整えるとき

いちばん多く使うのが頬の外側で、その次が前頬部です。こめかみまで一緒にくぼんでいれば、そちらも一緒に見ます。これらの部位は扱いが難しいほうです。くぼむと顔全体が影って見えるのに、かといって少しかたまるとすぐに目立つからです。多く入れることも、かといって入れないこともできない場所です。広い面を均一に覆う必要があるので、広く広がる性質が助けになります。

BELOTERO REVIVE — 乾燥して敏感な肌に

BELOTERO REVIVEは成分表から性格が違います。ヒアルロン酸のほかにグリセロールが1mLあたり17.5mg一緒に入っています。グリセロールは水をつかまえる成分なので、はじめから保湿のほうへ設計されているという点が成分からそのまま読み取れます。結び目をどうつくったかという話ではなく、水をつかまえる成分を加えた側です。

ヒトを対象とした臨床の結果もあります。もともと乾燥肌または非常に乾燥した肌に分類された方々で意味のある変化が報告され、最後の注射から9か月まで維持されました。ただし、すべての方で同じ程度の水分感が現れたわけではないので、どなたにでも使う製剤ではありません。皮膚のバリアが崩れて乾燥を強く感じられる方に、カニューレで施術します。

同じヒアルロン酸系ですが、二つの製剤の位置は重なりません。くぼんだ体積を補う側がHILO WAVE、乾燥した肌の水分を扱う側がBELOTERO REVIVEです。

同じブースターという言葉でくくられますが、系統が違います

カウンセリングで混同がよく生じる点なので、一度整理します。

  • ヒアルロン酸ブースター — HILO WAVE(Dual-HA)、BELOTERO REVIVE。物理的に体積と水分を満たす側です。
  • コラーゲン刺激剤 — スカルプトラ(PLLA)、ジュベルック ボリューム(PDLLA)、レディエッセ(CaHA)、GOURI(液状PCL)。自家コラーゲンの生成を促す側です。
  • hADM(ECM)ブースター — Re2O、CellREDM。真皮の基質そのものを補強する側で、上の二つの系統とはまた違います。

名前はどれもブースターですが作用が違うため、どの系統を使うかが決まってから製剤の名前が出てきます。順番が逆になると、選択の基準がぼやけます。

こうした場合にHILO WAVEをおすすめします

  • 頬の外側や前頬部がくぼんで顔が影って見える場合 — こめかみまで一緒にくぼんだ場合も含みます。
  • 広い面を均一に覆う必要がある場合 — 一か所だけ際立つと、かえって不自然になる部位です。
  • フィラーを調べられたものの、目立つのではないかとためらわれる場合 — 特に写真が多く残る予定を控えておられる場合です。
  • 回数を分けて反応を待つ時間が十分にない場合 — 残りの期間が2〜3か月ほどという状況です。

逆にこうした場合には別の選択をおすすめします

  • 輪郭をはっきり立てたい場合 — フィラーのほうが合います。この製剤では物足りなく感じられるかもしれません。
  • 時間に余裕があって長く持ってほしい場合 — コラーゲン刺激剤系のほうが適しています。
  • 肌のキメと水分が主なお悩みの場合 — この製剤が扱う層ではありません。真皮を扱うブースターを別に検討します。

施術の前に整理してから進める場合

  • 施術部位に活動性の感染や炎症がある場合
  • 妊娠中または授乳中の場合
  • 同じ部位に最近ほかの注入施術を受けていて、間隔の調整が必要な場合
  • ヒアルロン酸成分に対するアレルギーの既往がある場合や、自己免疫疾患の治療中である場合
  • 抗凝固薬の服用などで内出血・出血の傾向がある場合 — 時期と方法を調整します

ヒアルロン酸の注入施術のあとには、内出血、腫れ、圧痛、発赤、一時的な結節などが現れることがあり、個人差があります。まれに血管に関連する合併症が報告されているため、注入する層と道具は慎重に選びます。既往歴と過去の施術歴をカウンセリングの際に正確にお知らせいただけると、より安全に計画を立てられます。

最後に一つだけ付け加えます。施術を迷っておられるなら、どの製剤なのかを先に調べるよりも、自分の顔のどこがなぜ気になるのかを整理して来られるほうが、はるかに役に立ちます。三つのうちどれがより良い製剤なのかという問題ではなく、自分の状況がどこに引っかかっているのかという問題だからです。残りは診察室で一緒に合わせていけば大丈夫です。

診察から施術まで

皮膚科専門医が直接診察して原因の層を確認し、機器・パラメータを決めたうえで同じ専門医が施術まで続けて行います。カウンセラーが施術を勧める仕組みではありません。

回数・間隔・メンテナンスの時期・費用は、初回の施術の前に一緒に決めます。

よくあるご質問

水光注射やリジュランを受けていますが、一緒に受けても大丈夫ですか?
層の違う施術なので、目的が重なることはありません。水光注射やリジュランは真皮を扱い、HILO WAVEはそれより深い層で体積を補います。ただし同じ部位に複数の注入施術が短い間隔で重なると、腫れと内出血が合わさることがあるため、順番と間隔は別に決めます。最近受けられた施術の履歴をカウンセリングの際にお知らせいただけると、計画を立てやすくなります。
気に入らなかった場合、戻すことはできますか?
ヒアルロン酸系ですので、原理のうえでは分解酵素を検討できます。ただしこの製剤は大部分が架橋されていない成分なので、時間の経過とともに自然に減っていくほうに近く、実際に分解酵素を使うかどうかは状態を直接見て判断します。いずれの場合でも、施術の前に目標と範囲を正確にすり合わせておくことが先です。
顔が大きく見えたり、むくんで見えたりしませんか?
この部位を扱う目的は、ボリュームを増やすことではなく、もともと支えていた体積を補うことです。頬の外側や前頬部は少しかたまっただけでも目立つ場所なので、多く入れること自体が目標になりにくい部位です。ただし注入の直後2〜3日は水分を引き寄せて厚みが出て見えることがあり、この時期の状態を最終的な結果と受け取らないでください。必要な量と範囲は骨格と減り方によって変わるため、初回の施術の前に目標を一緒に決めます。
何回受ける必要がありますか?3か月ごとに受け続けるのですか?
3か月たったからといって、機械的に次をおすすめすることはありません。一度施術してから十分に経過を見て、物足りなくなった時点で足すほうがよいとお伝えしています。1か月間隔で何回受ければどれだけ持つ、といった固定の回数は、確かめられた根拠のある方式ではないため、そのまま従うことはしていません。回数と間隔は初回の施術の前に一緒に決め、経過を見ながら調整します。
結婚式や撮影の予定が2か月ほど先にあります。今受けても大丈夫でしょうか?
時期だけを見れば可能な範囲です。ただし、予定に合わせて必ず何かをしなければならないわけではなく、何もしないという選択も常に一緒に検討します。施術を受けると決められた場合は、予定から最低2週間、余裕があれば1か月ほど前をおすすめしています。腫れが引いて落ち着くまでの時間に加えて、一度見て調整する余地まで残しておく期間です。
施術の直後は目立ちますか?
針が入った場所に赤い点が残ることがありますが、長くは続きません。内出血には個人差があり、出ない方もいますし、出たとしても多くは1週間以内におさまります。ヒアルロン酸が水分を引き寄せるため、2〜3日はふだんより厚みが出て見えることがあります。この経過はフィラーでも同じように見られます。
効果はどのくらい持続しますか?
正直に申し上げますと、ヒトを対象にこの製剤の持続期間を測定した資料は、まだありません。現在確認できるのは、製造元が勧める施術間隔が3か月だという点です。診察室では6か月ほど残っている場合についてご説明していますが、個人差が大きい部分です。フィラーやコラーゲン刺激剤と比べると持続期間は三つの中でいちばん短いほうで、この点はあらかじめ知ったうえで選ばれるほうがよいと思います。
針で入れるのですか、カニューレで入れるのですか?
部位と範囲によって異なります。針を使う場合も、浅く何度も刺す方式ではなく、少ない数の点に深く入れる方式です。頬の外側や前頬部のように広い面を均一に覆う必要がある場所では、多くの場合、先の丸いカニューレで脂肪層を水平に進みながら長く置いていきます。進入点が一つに減るため、跡が残りうる場所も一緒に減る傾向があります。
スカルプトラやジュベルック ボリュームのようなコラーゲン刺激剤とは、どう違うのですか?
コラーゲン刺激剤は、自分の組織が反応してコラーゲンをつくるように促す方式なので、変化が出てくるまでに時間がかかり、間隔をあけて複数回に分けて受けます。HILO WAVEはヒアルロン酸が場所を占めることで起こる物理的な変化なので、注入の直後から見えます。その代わり、持続はコラーゲン刺激剤のほうが長く、広い面全体の厚みを均一に上げるのもそちらのほうが得意です。どちらが合うかは製品ではなく、部位と残された時間が決める部分ですので、診察室で一緒に決めていきます。
スキンブースターだと聞きましたが、なぜ頬に入れるのですか?
発売当時についた名前がスキンブースターだったというだけで、韓国での承認は4等級の組織修復用生体材料として受けており、記載されている注入層も皮下です。真皮に浅く何度も入れる水光注射系とは、層そのものが違います。製造元も2026年7月にラインを分け、真皮に浅く入れる用途は別製品として切り離し、従来の製品は自然なボリュームのほうへ定義し直しています。
HILO WAVEとフィラーは何が違うのですか?
同じヒアルロン酸ですが、架橋の程度、つまり分子どうしをどれだけ結び合わせてあるかが違います。フィラーは密に結び合わせてあるため、かたまりとして残りながら形を立てる側です。HILO WAVEは結んでいない成分が大部分なので、広く広がりながら落ち着く側です。ですので、同じ目的の施術ではありません。輪郭をはっきり立てる必要がある状況で、フィラーと同じだけの変化を期待して来られると、物足りなく感じられるかもしれません。
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