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高周波リフティングの通説 — 同じ高周波でもなぜ結果が違うのか

「高周波はどれも似たようなものですよね」というご質問と、「私は顔に脂肪がないので高周波はやめたほうがいいと言われました」というご質問を、同じ日に伺うことがよくあります。どちらのご質問も、高周波をひとつの決まった施術として捉えているという点で出発点が同じです。実際には、電極をどう配置しているか、周波数と冷却がどうか、出力とショット数をどう設定したか、そして受ける方の肌の厚みと脂肪の構造がどうかによって、熱が届く位置が変わります。ですから、同じ名前の施術がまったく違う結果につながります。

3行まとめ

  • 高周波は照射方式によってモノポーラ・バイポーラ・シーケンシャル高周波・ニードルRFに分かれ、方式と周波数によって熱が届く深さが変わります。「高周波」はひとつの施術名ではありません。
  • 高周波の目標は瞬間的に高温にすることではなく、真皮に45〜60℃を一定時間保つことです。出力を上げると直後の引き締まり感は大きくなりますが、熱はより深い脂肪層まで広がります。
  • 同じ機器・同じ出力でも、肌の厚み・部位ごとの脂肪構造・血流・組織温度によって反応が変わるため、顔全体に同じショット数を当てる方法よりも部位ごとの設計が結果を分けます。

高周波というひとつの名前に、異なる技術が入っています

よく「リフティングレーザー」と呼ばれますが、高周波機器はレーザーではありません。肌に高周波電流を流して組織の抵抗で熱をつくる方式で、その電流をどの経路で流すかによって名前と性格が分かれます。

電極をどう配置するかによって深さが変わります

  • モノポーラ(単極性) — 肌に触れるチップから出た高周波が、体に貼ったリターンパッドに向かって流れます。表面から深部まで連続的に通過しながら、広い組織層を温めます。施術のときに背中にパッドを貼るのはこのためです。
  • バイポーラ(双極性) — チップにある2つの電極のあいだだけを電流が行き来します。経路が短いため、一般的により浅い層に作用します。
  • ユニポーラ(単一極性) — パッドを使わずにチップから高周波が放出され、一般的にはより深い層まで到達する方式として分類されます。
  • シーケンシャル高周波 — モノポーラとバイポーラをひとつのハンドピースから交互に照射し、真皮浅層と真皮全体を1回の施術でまとめて扱う方式です。エイブル皮膚科のデンシティ系がこれにあたります。
  • ニードルRF — 微細な針を肌に刺入したうえで、針先から高周波を伝えます。表面と表皮の抵抗を経由しないため前の4つとはまったく別の範疇であり、エイブル皮膚科ではポテンツァがこれにあたります。

前の4つはいずれも表皮を通過させて熱をつくる方式なので、抵抗がもっとも高い表皮をどう守るかが設計の出発点になります。一方ニードルRFは、針先がすでに目標の深さに入っているため表皮の抵抗を迂回します。同じ「高周波」という言葉を使っていても熱をつくる位置も扱う問題も異なり、ダウンタイムも変わります。診察で「高周波を受けたい」という言葉が、それぞれ違う施術を指すことになる理由です。

周波数が深さを決めます

高周波の到達深度は周波数に反比例します。周波数が高いほど浅く、低いほど深く作用します。

周波数理論上の到達深度主に届く層
0.5〜1MHz10〜20mm皮下脂肪・筋膜
6.78MHz3〜8mm真皮全体+真皮と脂肪の境界
10MHz以上1〜3mm表皮〜真皮浅層

顔のリフトアップに使われるモノポーラ高周波の多くが6.78MHzを使用します。表皮と真皮を合わせた厚みは通常3〜4mm程度で、6.78MHzの主な作用範囲が表面から3〜5mm(設定によっては6〜8mmまで)であるため、真皮全体から真皮と脂肪の境界までが自然と目標範囲になります。この帯域が真皮の再構築に適しているという点については、おおむね異論がない状態です。

ただし、複数の種類の高周波を併用すれば必ず良いというわけでも、1種類だけでは足りないというわけでもありません。バイポーラが一緒に出ると真皮浅層の比重が大きくなるぶん、より深い層へ向かう熱の比重は相対的に低くなり得るという解釈はありますが、実際の結果は後で見る出力・部位・個人の条件にはるかに大きく左右されます。

参考までに、6.78MHzのモノポーラ高周波を使う機器には名前の知られたものがいくつもあり、サーマージ・オリジオもここに含まれます。エイブル皮膚科はこの2機種を保有しておらず、高周波はデンシティ クラシック・デンシティ アルファ・デンシティ アイと、ニードルRFのポテンツァを運用しています。この記事はどの機器が優れているという話ではなく、高周波という方式が何に左右されるのかを整理したものです。

熱は一点ではなく、体積単位で蓄積します

モノポーラ高周波の中心となる原理はバルク加熱(Volumetric Bulk Heating)です。チップから出たエネルギーが表面から深部まで連続的に流れながら、一点ではなく広い組織層全体を均一に発熱させます。決まった深さに熱凝固点を点としてつくる高密度焦点式超音波とは、熱が生まれる図そのものが異なります。

インピーダンス — 層ごとに生じる熱の量が異なります

高周波が肌の表面から深い層まで移動するあいだ、それぞれの組織のインピーダンス(電気抵抗)が、どこにどれだけ熱が生じるかを左右します。

皮膚の層インピーダンス電流の流れ熱の発生
表皮非常に高い流れにくい少ない — 冷却で守る区間
真皮中程度良好もっとも多い — タイトニング・ハリ改善の主舞台
脂肪層真皮より高い相対的に流れにくいエネルギーが届けば局所的に発生し得る — 過加熱に注意

表皮は水分とイオンの含有量が少なく抵抗は非常に高いのですが、電流自体が流れにくく冷却で守られるため熱の発生は少なくなります。真皮はコラーゲン・血管・水分が豊富で電流がよく流れ、高周波による発熱がもっとも効率よく起こります。脂肪層は水分が少なく抵抗が真皮より高いのですが、電流が流れにくいかわりに、同じ電流ではむしろ熱が多く生じ得ます。ただし深い位置にあるぶん、真皮に比べて温度は低く形成されます。

目標はピーク温度ではなく、保たれる温度です

施術を始めると温度は速やかに上がります。真皮と真皮・脂肪の境界では瞬間的に65〜70℃付近まで上がることがあり、このときコラーゲンが即座に収縮して施術直後の張った感じ(タイトニング)が生まれます。この感覚は一時的な性格が強いものです。

一方、数か月かけての変化は別の温度帯から生まれます。表面冷却で表皮を42〜45℃以下に守りながら、目標とする層の温度をおよそ50〜60℃に維持すると、真皮内の線維芽細胞が刺激されて新しいコラーゲンがつくられます。45〜60℃の区間がコラーゲンの再生・再構築に適した温度帯として知られており、この変化はおおむね3〜6か月かけて緩やかに現れる傾向があります。つまり直後の感覚と実際の再構築は、異なる温度帯・異なる時間軸の話です。

リフトアップとタイトニングは別の言葉です

リフトアップは下がった組織を重力と反対の方向に引き上げることで、タイトニングは肌とその下の組織を引き締めて張りを出すことです。高周波は基本的にタイトニングと真皮の再構築にあたります。非侵襲の領域で深部の支持層まで直接扱う代表的な方式は高密度焦点式超音波で、エイブル皮膚科ではウルセラプライムがその役割を担います。

多くの機器が「リフティング機器」としてまとめて紹介されますが、実際の主な目的はタイトニングである場合が少なくありません。この区別をしておくと、施術後の期待と結果の差が小さくなります。通常は両方を合わせて計画します。

同じ高周波でも結果が違う3つの理由

熱がどこにどれだけ蓄積するかを変える要素は、大きく3つに整理されます。機器、実際に伝わったエネルギー、そして受ける方と部位です。

① 機器 — 周波数と冷却

周波数は先に見たとおり深さを決めます。これに加えて冷却が重要な役割を果たします。表面冷却が強いほど、熱は表面から逃げずにより深い側へ伝わります。逆に冷却が弱い機器は、出力を上げたときに表皮を42〜45℃以下に保てず表皮を守りにくくなり、結果的に出力自体を低く使わざるを得なくなります。冷却は快適さの問題だけでなく、熱をどの深さに置くかを調節する装置です。

② 伝わるエネルギー — 出力と時間

バルク加熱の方式であるため、出力が高くなると初期のピーク温度が高くなり、その熱が周囲へ広がりながらより深いところまで到達します。上側は冷却で守られているので、熱は下へ広がります。照射時間が長くなったり、同じ場所にパスが重なったりするほど同じことが起こります。直後の引き締まり感は強くなりますが、真皮は目標としていた45〜60℃を超えることがあり、脂肪層まで熱が伝わります。

③ 受ける方と部位 — 肌の厚み・脂肪構造・血流・温度・湿度

  • 肌の厚み — 表皮と真皮を合わせた厚みによって、同じ出力でも真皮に形成される温度と脂肪層に残る熱の量が変わります。肌の厚みはおおむね体型とともに変わる傾向があります。
  • 脂肪の構造 — 脂肪層は脂肪細胞だけで満たされているのではなく、線維性隔壁(fibrous septa)が脂肪を区画に分けています。熱は隔壁に沿って伝わる傾向があるため、隔壁が多い部位では局所的な引き締まり中心の反応が、脂肪細胞が多く隔壁が粗い部位では広くゆっくり温まって熱を長く保持する反応が現れます。
  • 部位ごとの脂肪コンパートメントの違い — 口まわり・小鼻の周囲は脂肪細胞が小さく線維性の被膜が厚めで、中顔面(前頬)は脂肪細胞が大きく被膜が薄め、頬の外側とこめかみのパッドは脂肪細胞が大きいうえにコラーゲンの網目がほとんどない傾向が知られています。
  • 血流 — 血流は熱を冷ます緩衝の役割を果たします。血流が多い区域は到達深度が浅くなり、少ない区域は熱がより深く強く広がり得ます。韓国人198名を対象に顔の赤みとヘモグロビンの分布を測定した研究では、鼻の周囲と前頬の血流が多い一方、こめかみと頬骨・頬の外側は相対的に低い傾向がみられました。
  • 組織温度 — すでに温まっている組織では熱が一か所に集まるよりも広く拡散し、脂肪層まで伝わる熱の量が増えます。
  • 表面の湿度 — 湿度が高いと電流がよく流れて抵抗が下がり、熱が広く均一に広がります。逆に過度に乾燥した肌は抵抗が高く、出力が上がったときに表面の発熱が大きくなり得るため、熱傷に注意が必要です。

部位ごとに整理すると、条件の違いがより明確になります。

部位血流脂肪コンパートメントの性格同じエネルギーでの傾向
口まわり・小鼻・マリオネット比較的多い脂肪細胞が小さく線維性隔壁が厚い熱が隔壁の引き締めに使われやすい — タイトニング中心
中顔面(前頬)多い脂肪細胞が大きく被膜は薄い血流が熱を緩衝 — 同じエネルギーでも反応が弱いことがある
頬の外側・こめかみ相対的に少ない脂肪細胞が大きくコラーゲンの網目が粗い熱がより深く長く残りやすい — 保守的な設定が必要

この3つを合わせると結論は明確になります。顔全体に同じ出力で同じショット数を当てる方法は、結果的に部位ごとに違う強度で施術したのと同じことになります。血流が豊富な前頬は期待より反応が弱く、血流が少なく隔壁が粗いこめかみ・頬の外側は期待より強く反応することがあります。施術自体はまったく同じように進めたのに、ある部位は満足でき、ある部位は過剰に反応するという結果は、ここから生まれます。

[通説1]顔に脂肪がなければ高周波、脂肪が多ければ意味がない?

診察でもっともよく伺う言葉のひとつです。結論から申し上げると、脂肪の多い少ないは施術を受けるかどうかを決める基準ではなく、設定を変える基準です。真皮のハリ改善という目標自体は、どちらでも現れ得ます。

肌が薄めの方は

真皮全般に熱がよく形成され、その下までの熱伝達も比較的容易です。脂肪層の隔壁が温まることによる引き締まりや真皮そのものの収縮が直後に現れやすく、効果を実感しやすい条件です。ただし同じ理由で、高い熱が長く加わると脂肪が萎縮する余地も一緒に大きくなります。中〜低出力とパス数の制限を優先し、弱い部位には最小限で近づくほうが安全です。

肌が厚めの方は

真皮全体を目標の温度まで温めるのに相対的に多くのエネルギーが必要で、そのぶん進み方もゆっくりです。脂肪層まで届く熱は相対的に少なく、直後の引き締まり感は弱く感じられることがあります。だからといってハリが改善しないわけではなく、数か月かけての変化は現れます。相対的に高い出力に対する余裕もあるほうです。

ですから「友人が効果を実感した」という場所で、その友人と同じ設定で受ける方法はずれが生じやすくなります。薄い肌なのに厚い肌を基準にした設定を受けると、直後の引き締まり感は大きくても数か月後に望まないこけが加わることがあり、逆の場合は物足りなく感じられることがあります。同じ機器でも違う設定が必要だというのが要点で、反応には個人差があります。

[通説2]出力は高いほど、ショット数は多いほど、あらかじめ温めるほど良い?

出力 — 直後の感覚と再構築は別の温度帯です

出力を上げると真皮の温度が瞬間的に65〜70℃まで上がってコラーゲンが即座に収縮し、施術直後に張った感じが強く出ます。しかし数か月かけてのハリ改善は45〜60℃を維持するところから生まれます。より熱くすることが、そのままより良い結果を意味するわけではありません。

出力が高くなると真皮の温度が目標区間を超えて望まない形のコラーゲン変性が起こり得ますし、脂肪層の温度も43〜45℃台に達し得ます。逆に中程度の出力では、真皮が55〜60℃程度を維持しながら脂肪層は40℃未満にとどまるよう管理しやすくなります。直後の満足と数か月後の結果のあいだで、どちらに重きを置くかを先に決めておくほうが良いと思います。

ショット数・パス — 数字は強度の単位ではありません

「何ショット」という表記は直感的ですが、強度の単位ではありません。同じショット数でも、チップの面積、出力、パスの重なり具合によって組織が受ける総熱量が変わり、出力レベルの目盛りも機器やチップごとに基準が異なります。数字だけで2つの施術を比べるのは難しいのです。

より重要なのは総量ではなく、そのショットがどの部位に何回重なったかです。顔全体を格子に分けて順番に同じショット数を当てると施術は単純になりますが、先に見た血流・脂肪構造の違いのため、部位ごとの結果が均一になりません。線維性隔壁が発達した口まわり・マリオネット部位は熱が隔壁の引き締めに使われやすく相対的に余裕があり、血流が少なく隔壁が粗いこめかみ・頬の外側は保守的に近づくほうが自然です。

予熱 — 目的が違えば判断も変わります

別の機器であらかじめ組織の温度を上げてから高周波を行う方法が紹介されることもあります。原理上は明確な変化があります。組織が温まっていると抵抗が下がるため、高周波が真皮に集中するよりも広く深く拡散し、脂肪層に到達する熱が増えます。

したがって脂肪層の引き締めや減少が目標であれば、活用してみる選択肢になります。一方で「ハリ改善が目的」であったり「すでに顔の脂肪が少なくハリだけが落ちている」状況では、脂肪に及ぼす影響だけが大きくなることがあり、脂肪が弱い部位ではなおさらです。同じ費用でより多くの効果を得ようという判断が目的とずれる代表的な例です。無条件に有利な方式ではなく、目的によって分かれる選択として理解するほうが正確です。

[通説3]高周波は痛くない? 痛くなければ効果がない?

互いに反対の2つの通説が同時に出回っています。どちらの文も、痛みを結果の指標にしているという点で同じ誤解に寄りかかっています。

「高周波は痛くない」

痛みは機器の名前ではなく、瞬間の温度、チップの面積、冷却性能、部位、肌の厚み、麻酔の有無によって変わります。同じ機器でも出力とパス数によって体感は大きく変わり、表面冷却がきちんと働けば表皮の温度が低く保たれ、耐えられる程度になる場合が多くあります。ただし痛みがまったくないと言い切ることはできず、骨に近い額・フェイスライン・こめかみの部位はより敏感に感じられる傾向があります。

肌が乾燥した状態も体感に影響します。表面の湿度が低いと抵抗が高くなって表面側の発熱が大きくなり、出力が上がったときの熱傷のリスクも一緒に上がります。施術前に肌の状態を確認し、必要であれば鎮静と保湿を先に整える理由がここにあります。

「痛いほど効果がある」

強い痛みはおおむねその瞬間の温度が高いという合図に近いものです。ところが瞬間の温度が高いということと、再構築に適した45〜60℃台が十分な時間にわたって維持されたということは別の話です。むしろピーク温度が高いほど熱はより深い層まで広がり、それが目標だったかどうかは別の問題になります。

痛みを効果の尺度に使い始めると、出力を上げる理由ばかりが増えていきます。麻酔クリームを十分な時間塗布し、部位ごとに出力を調整し、冷却の作動を確認し、施術中の肌の反応を見ながら強度を調節することは、効果を削る選択ではありません。耐えられる限界を基準に出力を決めるよりも、目標の温度帯をどの部位にどう維持するかを先に決める順序のほうが自然です。

[通説4]高周波では頬がこけない? むしろボリュームが戻る?

頬のこけ(脂肪萎縮)は起こらない?

広く使われているモノポーラ高周波機器の公式集計では、脂肪萎縮・表面の凹凸の報告頻度は0.02%未満の水準として知られています。頻度自体は明らかに低いといえます。ただし頻度が低いということと、構造的に起こり得ないということは別の話です。

初期世代のモノポーラ高周波機器は今よりはるかに強いエネルギーを使い、痛みも強く、その時期に脂肪萎縮の報告が多くありました。その後、真皮のハリ改善に最適化されたエネルギー帯へ調整されて頻度は大きく減りましたが、先に見たとおり熱が到達する深さはさまざまな要因の影響を受けるため、排除しきれる問題と捉えるのは難しいところです。特に、メーカーの推奨より強く施術する方法が一般的になった状況ではなおさらです。

リスクが上がる組み合わせは、おおむね次のとおりです。

  • 高出力での重ね照射 — ピーク温度が高い状態でパスが重なると、熱が深い層まで繰り返し伝わります。
  • 血流が少ない部位 — 熱を冷ましてくれる緩衝が少なく、同じエネルギーでも反応が強く現れることがあります。
  • 薄い肌に過度なパスが重なった場合 — 熱が脂肪層まで到達しやすい条件で、曝露時間が長くなります。

関連する根拠としては、より深く到達する周波数を使って腹部で行われた研究において、脂肪細胞が43〜45℃に15分以上さらされた場合、その後の脂肪層の厚みが減少したと報告されています。顔の高周波施術で一つの部位がそれほど長く維持されることは容易ではありませんが、出力が高く重なりが多いほど方向はそちらを向くという点は念頭に置く必要があります。逆に隔壁が発達した部位では、同じ熱が脂肪細胞の喪失よりも隔壁の引き締めに使われる傾向があり、これを利用してタイトニングを狙うこともあります。

ハリが出ればボリュームが戻る?

「頬がこけた人が高周波を受けるとハリが改善してボリュームが戻る」という話もあります。頬がこけた方に強すぎない設定で高周波を行いハリの改善を期待することは可能ですが、真皮のハリ改善とボリュームが戻ることは別の話です。

高周波を含むほとんどのエネルギーベースの機器は、減ってしまった組織を再び満たすことはできません。ボリュームの喪失がたるんで見える主な原因であれば、満たすアプローチを併せて検討するほうが目標に合っていますし、その場合に高周波の目標を調整しておくと施術後の落胆を減らすことができます。効果と反応には個人差があります。

エイブル皮膚科が高周波を設計する方法

エイブル皮膚科が運用している高周波はデンシティ クラシック・デンシティ アルファ・デンシティ アイ(モノポーラとバイポーラを交互に照射するシーケンシャル高周波)と、ニードルRFのポテンツァです。同じ「高周波を受けに来た」という言葉でも、実際に行う施術は変わります。

  • デンシティ クラシック — モノポーラ高周波を中心に、真皮全体を体積単位で温める方式です。
  • デンシティ アルファ — モノポーラとバイポーラを順に照射し、真皮浅層のキメ・ハリまで併せて扱います。
  • デンシティ アイ — 目もとのように肌が薄く面積の狭い部位のための構成です。
  • ポテンツァ(ニードルRF) — 微細な針で表面を経由せずに、目標の深さへ高周波を伝えます。傷あと・毛穴のように目的が違うときに選ぶ別の範疇の施術で、ダウンタイムが別にあります。

機器を選ぶ前に決めることのほうが多くあります。

  • 層を先に決めます — 表面のキメと真皮浅層なのか、真皮全体なのか、より深い支持層なのかによって、高周波が主役になるのか補助になるのかが変わります。深部の支持層のゆるみが中心であれば高密度焦点式超音波(ウルセラプライム)を、皮下脂肪がたるみの重さをつくっているのであればマイクロ波(オンダ)を併せて検討します。
  • 部位ごとに出力とショット数を変えます — 血流と脂肪構造が部位ごとに異なるため、隔壁が発達した口まわり・マリオネット部位と、血流が少ないこめかみ・頬の外側を同じ強度で扱うことはしません。
  • 予熱は既定の手順ではありません — 脂肪層の引き締めや減少が目標であるときに限って選択肢として検討し、ハリ改善が目的であれば通常の体温の状態で行います。
  • 施術中の反応を見ながら調整します — 紅斑・熱感・部位ごとの反応は、同じ方のなかでも違って現れます。
  • ボリュームの問題はボリュームで扱います — 満たすべき部分があれば、高周波の出力を上げるのではなく別の手段を併せてご相談します。

施術直後の引き締まり感と、数か月かけてのハリ改善は現れる時点が異なります。直後の感覚は一時的な傾向があり、コラーゲンの再構築による変化は通常3〜6か月かけて緩やかに現れます。回数と間隔は肌の状態と目標によって変わり、効果には個人差があります。

診察から施術まで

皮膚科専門医が直接診察して原因となっている層を確認し、機器とパラメータを決めたうえで同じ専門医が施術まで続けて行います。カウンセラーが施術を勧める仕組みではありません。

回数・間隔・維持の時期・費用は、初回の施術前に一緒に決めます。

よくあるご質問

効果はいつから感じられ、どのくらい持続しますか?
施術直後の張った感じはコラーゲンの即時収縮によるもので、一時的な傾向があります。コラーゲンの再構築によるハリの変化は、通常3〜6か月かけて緩やかに現れるとされています。持続期間と次回までの間隔は年齢・肌の状態・目標によって変わるため、個人差があります。
ポテンツァも高周波ですが、デンシティと同じ施術ですか?
どちらも高周波を使いますが、範疇が異なります。ポテンツァは微細な針を肌に刺入したうえで針先から高周波を伝え、表面を経由せずに特定の深さを目標とするもので、傷あと・毛穴のように目的が違うときに選びます。ダウンタイムも別にあるため、表面から伝えるデンシティ系とは計画が変わります。
高周波と超音波リフティングは何が違いますか?
高周波は広い組織層を体積単位で均一に温める方式で、高密度焦点式超音波は決まった深さに熱凝固点を点としてつくる方式です。ですから高周波は真皮のタイトニングと再構築に、超音波はより深い支持層まで扱うことに近いといえます。互いの代替というより、扱う層が違うため相互補完的に計画することが多くあります。
エイブル皮膚科にはどのような高周波機器がありますか?
デンシティ クラシック・デンシティ アルファ・デンシティ アイ(モノポーラとバイポーラを交互に照射するシーケンシャル高周波)と、ニードルRFのポテンツァを運用しています。同じ6.78MHz帯を使う別の名前の機器もありますが、当院では保有していません。どの機器が優れているかというより、どの層を目標にするかによって選択が分かれます。
ハリが出れば、こけた頬も再び戻りますか?
真皮のハリが改善することと、ボリュームが戻ることは別の話です。高周波を含むほとんどのエネルギー機器は、減ってしまった組織を再び満たすことはできません。ボリュームの喪失がたるみの主な原因であれば、満たすアプローチも併せてご相談するほうが落胆を減らせます。
高周波を受けて頬がこけることはありますか?
報告される頻度自体は非常に低く集計されていますが、構造的に起こり得ないことではありません。高出力での重ね照射、血流が少ない部位、薄い肌に過度なパスが重なったときに可能性が上がります。ですから、こめかみや頬の外側のように条件が重なりやすい部位は保守的に進め、部位ごとに出力とショット数を変えて設計します。
別の機器であらかじめ温めてから高周波を行うと良いと聞きましたが?
組織があらかじめ温まっていると抵抗が下がり、熱は真皮に集中するよりも広く深く拡散して、脂肪層に到達する熱が増えます。脂肪層の引き締めや減少が目標であれば活用できる方法ですが、ハリ改善が目的であったり、すでにボリュームが不足している場合には、望まない方向にはたらくことがあります。無条件に有利な方法ではないため、まず目的を確認します。
ショット数は多いほど良いのですか?
ショット数は強度の単位ではありません。同じショット数でも、チップの面積・出力・パスの重なり具合によって組織が受ける総熱量が変わり、機器ごとに出力レベルの基準も異なります。大切なのは総量よりもどの部位に何回重ねたかであり、顔全体に同じショット数を機械的に当てると、部位ごとに違う強度で施術した結果になります。
高周波は痛くないと聞きましたが、痛くなければ効果がないのでしょうか?
痛みは機器の名前よりも、瞬間の温度・チップの面積・冷却性能・部位・肌の厚み・麻酔の有無によって変わります。強い痛みはおおむねその瞬間の温度が高いという合図に近く、コラーゲンの再構築に適した温度帯がよく保たれたという意味ではありません。痛みを効果の指標にするよりも、目標の温度帯をどこにどう維持するかを先に決めるほうが自然です。
出力を強くしてもらえば効果は高くなりますか?
出力を上げると真皮の温度が瞬間的に大きく上がり、施術直後の張った感じは強くなります。ただし数か月かけてのハリ改善は45〜60℃の区間が一定時間保たれたときに現れるとされており、より熱くすることがそのままより良い結果を意味するわけではありません。出力が高いほど熱はより深い脂肪層まで広がるため、部位に応じた調節が必要です。
顔に脂肪がないと高周波は受けないほうがよいと言われましたが?
脂肪の多い少ないが施術の可否を決める基準ではありません。肌が薄めの方は熱が真皮とその下まで比較的伝わりやすく、直後の引き締まり感を得やすい一方で、高い熱が加わり続けたときに脂肪が萎縮する余地も大きくなります。ですから受けるかどうかではなく、出力とパス数をどう設定するかの問題として捉えるほうが正確です。
高周波リフティングはどれも同じ施術ですか?
名前は同じでも照射方式が異なります。チップから出た電流が体に貼ったパッドに向かって流れるモノポーラ、チップの2つの電極のあいだだけを行き来するバイポーラ、その2つを交互に照射するシーケンシャル高周波、そして微細な針の先から伝えるニードルRFが、いずれも高周波と呼ばれています。方式によって熱が届く深さが変わるため、期待できる変化も変わります。
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