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炎症後紅斑(PIE)・瘢痕初期段階の理解 | 皮膚科専門医 鄭京默

炎症後紅斑(PIE):瘢痕初期段階の理解

ニキビ跡の「赤い色」:PIEとPIHの違いをご存知ですか?

ニキビが治ったのに残る赤い色や黒い色...多くの患者がこれを「瘢痕」と思っています。しかし、これらは本当の瘢痕とは異なります。炎症後紅斑(PIE)と炎症後色素沈着(PIH)の可能性が高いです。

重要な違いは、これらが「時間が経つと自然に治癒される可能性がある」ことです。一方、本当の萎縮性瘢痕(陥没瘢痕)は自然治癒が不可能です。したがって正確な診断が治療の方向性を決定します。

炎症後紅斑(PIE):微細血管の持続的な拡張

PIEは炎症後に皮膚の微細血管が持続的に拡張した状態です。ニキビが治癒して炎症信号が減少しても、血管が完全に正常に戻るまでに数ヶ月から数年かかる可能性があります。

PIEは最初は明るい赤色(bright red)ですが、時間とともに濃い紫色(purple)に変わり、最終的に消えます。ほとんどは6~12ヶ月以内に自然治癒しますが、1年以上残る場合もあります。紫外線露出が多いと回復が遅くなります。

炎症後色素沈着(PIH):メラニンの過剰生成

PIHはニキビ炎症で刺激されたメラノサイトが過度なメラニンを作る現象です。真皮層ではなく表皮層の色素問題なので、比較的治療が容易です。

PIHも時間経過とともに改善されます。しかし、日光への露出でメラニンがさらに刺激されて治癒が遅れます。PIEより治療反応が早く、ほとんどは3~6ヶ月以内に自然治癒します。ただし肌色が濃いほどPIHが長期残る可能性があります。

PIEとPIHを悪化させる要因

両方の状態とも、「紫外線露出」が最大の悪化要因です。日光に露出すると血管がさらに拡張し(PIE)、メラニンがさらに刺激されます(PIH)。したがって紫外線遮断が治療の50%以上を占めます。

また反復刺激も避けるべきです。ニキビがあった部位を手で触ったり、絞ったり、強いスクラブを使うとPIEとPIHが悪化する可能性があります。辛い食べ物、熱い食べ物、過飲酒も血管拡張を誘発してPIEを悪化させます。

PIE治療:血管に集中

PIEは血管問題なので、血管に反応するレーザーや高周波が効果的です。V-beamのような血管レーザーは拡張した血管を選択的に破壊します。IPL(Intense Pulsed Light)も役立つ可能性があります。

ただしPIEは時間経過で大部分が自然治癒するので、急ぐ場合を除き待つのも方法です。ただし重要なイベントや撮影があれば治療で迅速な改善が期待できます。通常3~4回の施術で目立つ改善が見られます。

PIH治療:メラニンに集中

PIHは色素問題なので、色素に反応するキュースイッチレーザーやピコレーザーが効果的です。また美白成分(ビタミンC、アルブチン、ナイアシンアマイド)を含むエッセンスやクリームも役立ちます。

PIH治療は外部施術も重要ですが、ホームケアが非常に重要です。紫外線遮断とともにビタミンCエッセンス、レチノールなどの再生成分を継続的に使用すると改善速度が速まります。またビタミンや抗酸化物質の摂取も役立ちます。

PIEとPIH:治療戦略の結論

PIEとPIHは「瘢痕」ではないため、適切な管理と時間があれば大部分が自然治癒します。最も重要なのは「待ちながら悪化を防ぐこと」です。紫外線遮断、自激回避、規則的なスキンケアが核です。

もし早く改善したければ、PIEは血管レーザーで、PIHは色素レーザーと美白製品でアプローチします。しかし何らかの場合でも紫外線遮断とホームケアなくしては効果が限定的です。無作為に強い施術を繰り返すとかえって悪化する可能性があるため、専門医との相談が必須です。

肌のお悩みがある方は、専門医の診察をお受けください。

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